投稿日:2009-08-01 Sat
あとで書くつもりでしたが、ここにも念のため書いておきます。連続した音達プロジェクトは検証段階です。
この検証で使った機能はユーザーさんに提供しますが、
『誰にでも利用できるもの』として確立している訳ではないことにご注意ください。
さて、最新成果続きです。前の「連続した音達 ~ 音源が手に入ったよ」と
あわせてお読みください。
前回は音源の用意までを解説しましたが、今回は実際に歌わせるところを解説します。
4.歌を入力

ここでは耳ロボPさんの配布している古いUTAUのbat形式プロジェクトを読み込んでいます。
プロジェクトの原音ファイルセットを用意したディレクトリにすることを忘れずに。

ここまででとりあえず、プロジェクトを『名前をつけて保存』しておくことをお勧めします。
5.早速加工に入ります。
5-1.プロパティを変更
先ず、全体を選択してプロパティを変更します。


5-2.連続音を適用
個別の音符について、手前の音にあわせて連続音に変えていきます。
このときフレーズ頭(手前が休符)のものは変更しません。
ただし、滑舌改善のために入っている短い休符はその前の音符を伸ばして消してください。


「じゃ」等は連続音に無いのでとりあえずそのままにしておきます。
(「o じ」+「じゃ」のように合成できたらしても良いです)
先行発声が大きい数字なのでエンベロープの線が凄いことになっていますが、
たとえ警告マークが出ても気にせず続けます。
5-3.ポルタメントは必須です
ポルタメントは必須で、画像では既に設定されていますが、
設定するタイミングは再生してみる前ならばいつでも構いません。

5-4.レンダリング時の自動調整を音符に適用
歌詞を連続音に設定するとその大きい先行発声値のため、八分音符くらいからもう[!]が出てしまっていることと思います。
ここで、3で用意した『レンダリング時の自動調整を音符に適用』を行います。

↓

↓

これで[!]が出ていたところも消えているはずですが、まだ出ているようなら、エンベロープを開いて、
正規化するなどして、警告を消します。
余りに音符が短いとこれも通用しないことがありますが、そこまではまだ対応して無いので、
とりあえず先に進みます。
5-5.エンベロープをクロスフェードするように設定する
連続音のところだけを選択して、
『手前の音符のp2と対象音符のp1を対象音符のオーバーラップ値に』を実行していきます。


これでエンベロープがクロスフェード用に設定されます。
ここで連続音じゃないところを含めてしまうと妙な副作用があるのでお気をつけください。
ここまでやったら、再生できますので聴いてみます。
ren-on-01.mp3
これは、原音設定を調節した後で録ったので変じゃありませんが、普通は大抵ずれてますので、
調節が必要です。
5-6.原音設定のを調節
ここで原音設定を調節します。(音符を選んでctrl+G →エディタを起動)

↓

このように、左ブランク(オフセット)だけずらすと全部一緒にずれますので、
他のパラメータは触らないようにします。
実はこの原音設定の調節が一番時間が掛かるんですが、それだけ重要なのでしっかり行います。
5-番外.語末の息遣い
ここでは都合で詳細を省略しますが、この他にフレーズ終わりの伸ばすところにエイリアスが「a ・」等となっている音を繋げています。これは「語末の息遣い」の表現です。

5-7.クロスフェードの最適化
最後に、クロスフェードの最適化を行います。
クロスフェードの最適化はキャッシュを必要とします。
もしキャッシュしない設定になっている場合は中間ファイルをキャッシュする設定に変更してください。

3で解説した、『キャッシュを利用してクロスフェードを最適化』を行います。
連続音部分を選択して(別に全部選択しても良いが、それだと普通の先行発声のオーバーラップ部分も調整しようとして、変になるかもしれないので推奨できない)「クロスフェード最適化」。

こんなのが出て、

最適化が行われると、キャッシュを削除するか聞いてきます。「OK」で消します。

キャッシュが無い・対象で無い(休符とか)・これ以上最適化の余地が無い場合、別のダイアログが出ます。ちょっと不親切なので後で直します。

クロスフェード最適化は、「クロスフェード最適化→キャッシュ削除→再生してキャッシュ作成」を数回繰り返すと良い感じになります。
一回:ren-on-02.mp3
二回:ren-on-03.mp3
また、どうにもならない場合もありますのでその場合は諦めてください。
ここまでで、歌唱作成の作業は終了です。
(まとめに続く)
前回:連続した音達 ~ 音源が手に入ったよ
△ PAGE UP