投稿日:2009-07-31 Fri
『連続した音達』の最新成果の発表になります。萌々子さん(桃音モモの中の人)がブログで既に配布しているのでご存知の方もいるかと思いますが、連続した音達シリーズは、これによって、『大人の都合』をクリアできました。萌々子さんに大感謝です。
さて。
解説はまず、録音する連続音から。
先日一部公開になったVOCALOIDでの声収録用の呪文のようなのを録音することになります。
萌々子さんが公開しているのは、耳ロボPさんが作成したOREMO v2.0(β版)に付属している
連続音リストを用いたものです。テスト用なので、拗音や外来語発音等一部不足があります。
でも、これでも従来の単音音源と併用すれば十分使えます。
実は飴屋版の総当りリストでも録音していただいているのですが、
まだそこまで検証が進んでいません。なにしろ量が多い物で。
→参考までに: reclist_aa_renzoku.txt 改良版総当りリスト
録音の注意点などは別の記事で詳しく述べようと思いますが、
実は、連続音を使う場合、従来の単音音源以上に、録音の品質が重要になってくることは、
心に留めて置いてください。現状に甘んじず先を志向する『中の人』の方々は特に。
ここまで前置きでした。
今回の本題は、UTAU上での扱い方です。
1.原音ファイルの用意
※使ったのはtake2です。あいうえお.wav
あうおくか.wav
あえかけさ.wav
あおかこさ.wav
あかさたな.wav
…
後述しますが、この後の都合で名前をちょっと変更しました。
_あいうえお.wav
_あうおくか.wav
_あえかけさ.wav
_あおかこさ.wav
_あかさたな.wav
…
2.oto.iniを用意。
ファイルは切り分けず、エントリを複数作って切り出しました。
_あいうえお.wav=- あ,480.74,450,-600,300,100基本はこの形になります。
_あいうえお.wav=a い,1080.74,450,-600,300,100
_あいうえお.wav=i う,1680.74,450,-600,300,100
_あいうえお.wav=o え,2280.74,450,-600,300,100
_あいうえお.wav=e お,2880.74,450,-600,300,100
_あいうえお.wav=o ・,3898.74,450,-600,300,100
エイリアスを「手前の音 音名」にするのがポイント。
最初と最後のエントリは特殊でそれぞれフレーズ頭用とリリース部用のエントリになります。
OREMO付属版のリストでは、対応していないので必ずしも必要ではありませんが、
とりあえず実験なので、これで行きます。

各ファイルのエントリをテキストエディタのマクロ機能などを使って作成してしまいます。
パラメータは左ブランク(頭からのオフセット)が順にずれていきますが他は一律です。
右ブランクがマイナスになっていますがこれは、この実験用に右ブランク値がマイナスのときは、オフセット(左ブランク)からの相対値になるようにUTAUを改造したためです。
原音設定のイメージはこんな感じになります。

3.これのためにUTAU側で用意した機能
・レンダリング時の自動調整を音符に適用
・手前の音符のp2と対象音符のp1を対象音符のオーバーラップ値に
・キャッシュを利用してクロスフェードを最適化
この三つは後で出てきます。これに加えて、
音符にShift+右クリックで出る類似音リストをエイリアスのプリフィックスに対応。
ついでに母音結合等、歌詞に関係する機能でも支障が出ないように対応しました。
これは、

こんな風に、前の発音が違う同じ音が一覧できるようにしたんです。
最初にファイル名を変更したのは、
あいうえお.wav等、ファイル名がここに出てきてしまうのを防ぐためです。

こうなる(NG)
4.桃音モモ(Lite版)をインストール
連続音の入ったフォルダに桃音モモ(Lite版)をフォルダごと入れておきます。
これは、この連続音ファイルに“あいうえお”以外フレーズ頭の発音と
拗音(きゃきゅきょ等)を補完するためです。
これでとりあえず、音源の準備は終わりです。
(つづく)
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