投稿日:2008-09-12 Fri
お分かりの方はお分かりかと思いますが、オートピッチ
母音結合
オートビブラート
おま☆かせ
これらのツールは全て私の調声法の一部をツール化したものです。
なので既に独自の調声を確立しつつある諸氏には、「なんだこれ」なものに見えたかもしれません。
他に汎用的に使えるテクニックがあればツール化して行きたいのでご提案お待ちしてます。
※というかそのためのプラグイン仕様なので作れる方は作ってください。
ここまでは前フリ。
それでは本題です。
原音のピッチ変動とそれを残した場合の問題点について。
まだ言及していない点が残っているのでそのあたりを書きたいと思います。
ではまずはこれをご覧ください。

これは「重音テト」の ま.wav のF0の周波数遷移グラフです。
(縦の水色の線は0.1秒毎で、薄い横線は半音毎です)
赤い横線がこの原音の基準となる音程です。(モジュレーションが0に近づく程、各点はこの基準に近づきます)
見れば判ると思いますが、
ほぼ1音下から始まって、すぐに半音弱下まで上昇後、そのまま一旦安定、そして非常に緩やかに上昇をはじめ、0.3秒付近でようやく、基準より高めの音程で安定します。
ここで原音設定のGUIで波形を見てみると、

音程と波形の振幅がほぼ対応していることが判ります。
これは、何を表しているかというと、声が大きくなるにつれ、音程が上ずっているんですね。
まあこの事実は今回の話と関係ないのでここまでですが。
今回解説したいのは、このように音程が安定せず徐々に変化していく原音を
モジュレーションの設定なしに使おうとした場合に起こる問題点についてです。
UTAUが“切り張りツール”であることを考えれば自ずと判ることなのですが、
この「ま.wav」の周波数遷移ですと、UTAUで出力した場合、
必ず約1音下からのポルタメントがかかり、
・短い音符だと音程が上がりきらず、
・長く伸ばすと上がりすぎで、
・0.2秒ぐらいの音符だと何とか合っているように聞こえる。
つまり殆どの場合、音程が外れて聞こえます。つまり「音痴」です。
これは原音の設定で有効部分(白い範囲)を上手く音程が合っている所に設定すれば
よさそうに思うかもしれませんが、それはある程度長い音符の話で、
固定部分(ピンクの範囲)より短い音符は依然として音程が上りきらない
「歯がゆい」発声になってしまいます。
対策はいくつか考えられます。
あくまで原音の変動を生かすなら、
・tフラグで音階を微調整する。
※Fragsのtオプションは10cent単位でその音符の音程を平行移動します。
・ピッチ曲線で音符の後半が差し引きでちゃんと目的の音程に達するように調整する。
※※いずれにしても絶対音感が必須。もしくはそれに代わる分析ツールとそれを使いこなすスキル。
やはり一番現実的なのは、
・モジュレーションを小さな値(一桁以下)にしてピッチ曲線で表情付けをする。
でしょうか?
あと、私は試したことがありませんが、
後処理で、AutoTuneやGSnap等の音程補正系のボイスエフェクトをかけて
音痴を直すって手もあるかもしれません。
以上。
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